INTERVIEWS

本プロジェクトを主宰する藤田香織が、リユースTシャツプロジェクトを共に盛り上げてくださっているクリエイターの方々をお迎えし、対談させていただいております。その会話から見えてくるリユースTシャツは、このプロジェクトを15年続けている藤田にも、とても新鮮に映ることがあります。

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INTERVIEW 02田村 美奈子 さん(暮らしプランナー)前編リユースTシャツを思う存分楽しみたい!

UPDATE: 2017/01/26

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「住育」視点から『ママが太陽になれる暮らしの仕組み作り』をテーマに活動されている、暮らしプランナーの田村 美奈子(たむら みなこ)さん。DIYのワークショップなども手掛けている田村さんは、独自のセンスでリユースTシャツをリメイクし、着こなしています。
笑顔溢れるおしゃべりは、子ども太鼓教室での出会い、リメイクの心得から今後一緒にやりたいことに及びました。

「自分らしさ」を受け入れてくれたリユースTシャツプロジェクト

藤田:私たちの出会いは、千葉市でおこなわれていた子ども太鼓教室でしたよね。当時、美奈子さんの息子は4歳、私の息子は3歳で、私のお互いすごく元気な子どもたちで、先生の話を聞かないでカーテンに隠れて遊んでいたりして(笑)。

それを注意しながらも、「本当に、うちらの子ども、サイコーだね」って笑ってたんですよ。私もそういうの、笑っちゃうほうだから、感覚が合いそうだなあ、と思いました。子どもたちはあったその日に意気投合して。

田村:初めてって感じがしなかったですよね。
香織さんとは「お母さん」として会ったのだけど、「自分」を持っているところに引き込まれました。子どもの教育に熱心になりすぎると習い事に行っても、子どもと一緒に楽しむ、というよりも子どもの一挙一動が気になり、常に目をとがらせて子どもを監視する感じになりますよね。

でも、香織さんは自分の世界観があるなかで習い事に子どもを連れて行っていて、その時間を自分も楽しんでいる、というように見えました。私もそういう感覚で行っていたから仲良くなったんだと思います。あとは、リユースTシャツの柄に気付いたことも良いきっかけでしたよね。

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藤田:地元のレストランでスタッフTシャツとして作ってもらったリユースTシャツを私が着ているのを見て「その店知ってるよ」となって、そこでリユースTシャツのことを説明して。

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田村:その時初めてリユースTシャツプロジェクトのことを知って、「本当にいいな」と思いました。ちょうど同じ時期に私も建築廃材をリユースするワークショップをやっていて、リサイクル、リユース、リメイクを自分のライフスタイルの一部にしていきたい、と思っていたんです。だけど、着るもののリメイク、リユースって手間をかけてやるイメージがあって、忙しい私にはやりにくい気がしていました。

でも、香織さんのアイデアはTシャツを裏返してリユースしよう、でしょう!?簡単で、すごいアイデア!やってることがかっこいい!って思いました。そこからインスピレーションを受け、お手軽なリメイクをしてみよう!と思い、私なりに、パパッとリメイクをするようになりました。

自分がリユースTシャツを1、2枚買うだけで環境・社会活動に自分が参加できるというアイデアにも驚きました。その頃は離婚したばかりで仕事と子育てで忙しくて、社会・環境活動に参加できる時間があまりなかったんです。でも、リユースTシャツプロジェクトならワンコインで買うだけで参加できます。「なんでみんな着ないのかな」と思いました。

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藤田:そんな風に思っていてくれたんですね!

田村:もう1つ大きく共感したのは、リユースTシャツプロジェクトの「ダメダメダメ」ではなくて「あれもいい、これもいいんじゃない?」と言う感覚。環境活動というのは、「しちゃいけません」が多いじゃないですか。食べ物なら「添加物が入ったものを食べちゃいけない」とか。

でも「いけません」ばかりだと、どんなに良いことをしていても広がりにくいかな、とすごく感じるんです。私はダメ、と言われることが嫌いで、楽しむことがすごく好きだから。
あれもやっちゃだめ、これもやっちゃだめ、ではなく、「好きにアレンジしていいよ!」と、自分らしくいることをOKしてくれるところが好きなんですよね。

「嬉しい」って受け止めてくれるから、アレンジが楽しい。

藤田:今日のテーブルに置いてあるお花も、美奈子さんが今朝、庭から摘んできてくれました。こういう風に、暮らしを彩ることを、さりげなく、ぱぱっとやっちゃいますよね。リユースTシャツもその延長で、私にも発見があるようなリメイクをしてくれますよね。

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田村:リユースTシャツは好きなアレンジができるので、着る幅が広がります。これが高価なものだったら、ハサミをいれるというワンアクションが止まっちゃうと思うんです。ワンコインに付加価値をつけるのは自分じゃないですか。「背景にはリユースのストーリーがあるけれど、着るときは自分の好きなようにしていい」と私は思っています。思いきって切っちゃえ!それでダメだったらもう一度縫って戻しておく、ぐらいの気持ちです(笑)。

でも、これができるのは、プロジェクトでTシャツを売るまで、何百倍の労力をかけているのに、それを切らせてくれて、「嬉しい」って受け止めてくれている、香織さんの姿勢があるからこそです。

藤田:その考え方は、わたしには驚きでした。
リユースTシャツは、いつでも気軽なもので、暮らしに取り入れやすいものでありたい、と思っています。その思いが伝わっているようで、とても嬉しいです。

田村:社会活動として、使用済みの製品をアップサイクルしよう、というものはたくさんありますよね。でもそれを売る時は、子どもがちょっとさわったら「これは大事に作ったものだから、さわらないで」って言われる。そういうことって、なきにしもあらずじゃないですか。
もしリユースTシャツがハンガーにかけられて「お手を触れないでください」と書かれていたら、私は絶対にハサミを入れないです。もしくは、隠れて入れてたかも(笑)。

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田村:それを、香織さんはどんどん切って、楽しませてくれるから、逆にそれを伝えたくなるんです。こんなに素敵なプロジェクトがあって、しかも、私も、私らしく遊べる。自分のライフスタイルに入れられるんだよ、って。うちの息子もがんがん切っちゃうタイプで、自分のリユースTシャツのアレンジを楽しんでいるんですよ。

撮影協力:MONKEY CAFE

後編はこちら

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暮らしプランナー
One’s work(ワンズワーク)主宰
一児の母でありライフオーガナイザーとして、『住育』の視点からママが太陽になれる暮らしの仕組み作りを、片付けや収納の面からサポート。またインテリアコーディネーターとして、リノベーションを中心とした空間プランニングを手がける。古くなった建物に新しい命を吹き込むと共に、DIYを取り入れ、ひと手間かけて自分らしい暮らしを育むメソッドを提案している。